実家に居座っていたアラフォー兄が出て行くことになり、荷物の整理を手伝っていた時のこと。
雑多なモノの奥から異様なオーラが発せられていた。
ゴゴゴゴゴ……
バァァァァーーン!!
酒!
飲まずにはいられないッ!
無類の酒好きな私、引っ越し手伝いの駄賃に拝借しようかしらんと手をかけたその時。
イヤな予感。悪寒。
ぜろよん…
11年前の酒であることが判明した。
1年や2年ならまだしも、10年以上も常温で放置されていた清酒。いかがなものだろうか。捨てるべきか。3秒ほど悩んだ。
とりあえず注いだ。黄色い。健康診断の日を思い出させる。
嗅いだ。若干酸味が強そうなものの、腐っているような臭いはしない。芳醇である。
呑んだ。傍らの母がやめなさいやめなさいと狂乱しているがお構いなしだ。
む…
むむむ。
これは。。。
ンまぁぁ〜い♪
旨かった。
酸味と共に、カラメル的な甘みと深み。要するに、ほぼ紹興酒である。あまねく御家庭で1本、リーズナブルなポン酒を10年間そのへんに放っておくべきだとすら思うレベル。
というわけで、思いがけず「清酒は11年ほっといても大丈夫」というライフハックを得た週末。結局呑んだくれて引っ越し作業はちっとも進まなかった。