人財戦略室の佐々木はじめです。
出戻り社員の僕ですが、2024年4月に、社会人生活25年目に突入しました。昭和に生まれ、平成を過ごし、令和に生きる。新入社員の親世代になっていると思うと、身が引き締まります(というか時間の流れがおそろしい!)。
というわけで、今回はいまの僕が考えていることを赤裸々に語るとともに、若いビジネスパーソンのみなさんに何かしら日常を過ごすヒントをお贈りできたらと思います。
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■率直に、25年目で思うこと。
結論からいうと、いまが一番幸せです。
25歳でエン・ジャパンに中途入社して、若いころはけっこう無茶もしました。超ワークハードでしたけど、20代でチームリーダーやグループマネージャーも経験させてもらって、楽しかったです。
ただ、当時の僕は天狗になっていて、ちょっと、いやかなり世の中をなめてました。自分はイケてると勘違いしていたともいえます。恥ずかしいので、あの頃に戻りたいとは思いません。
その後、エンを退職し、病気を経験したことで、僕の価値観は変わりました。
病気をしたときは、「なぜ自分が」と思いましたし、絶望もしたのですが、いまにして思うと、病を得てよかったです。それは、以前より人にやさしくなれた気がするからです。
わりと底辺に近い生活を経験することで、社会的に弱者とされる人たちが必死に生きている姿を、心から応援したいと思えるようになりました。
振り返ってみると、20代~30代前半の僕は、寂しさを埋めるために仕事をしていたのかもしれません。エンに入った頃に恋人と別れ、友人も少なく、よりどころが仕事しかありませんでした。それが悪いとはいいません。そういう生き方もあると思います。
でも47歳になって感じるのは、人間はひとりでは弱い生き物だということです。自分の弱さを直視するのはつらいですが、弱さから逃げ続けるのはもっときついです。であれば、弱さを認めて、弱い部分を補い合って生きていくのが、人間の本来の生き方だと思います。そのうちに、自分の良さや強みもわかってきます。その強みを社会のために活かしていけば、かならず誰かが手を差し伸べてくれます。
僕もエンにウエルカムバックして、以前一緒に働いた人たちが、あたたかく迎えてくれたときに、自分は愛されていたのだと気づきました。昔の自分は寂しいと思っていたけれど、実はたくさんの人が僕を信頼してくれていました。寂しさは、ただの幻想にすぎませんでした。
■仕事をするうえで、一番大事だと思うこと。
アホみたいに聞こえるかもしれませんが、「愛嬌」です。
人から好かれるって、すごく大事です。
話しかけにくい人は、それだけで損をしています。入ってくるはずの情報が、入ってこなくなるからです。特にこれからの時代は、情報の信頼性が重要になります。フェイクニュースも横行する中で「信頼できる筋の話」というのは貴重です。なので、別所哲也風にいうと、「自分のご機嫌は、自分でとろう」ということになります。
とはいえ、愛嬌だけでは信頼を得られません。プラスして、自分の仕事をまっとうする、依頼をしたらきちんと結果を報告する、といったことも必要です。でもまあ、こういうことは新入社員研修などで習うでしょうから、ようは基礎をおろそかにしない、ということです。
いうまでもないですが、愛嬌はエンの行動ガイドラインにある【好感演出力】 とほぼいっしょです。経験を重ねると忘れがちになるかもですが、僕のようなおっさんになっても、いやおっさんだからこそ、愛嬌がないといけません。いつもかわいいおっさんでありたいものです。
■人の価値観は変わるもの。
僕はエンに中途入社したとき、「3年くらいでまた転職するのかなあ」と思っていました。ライターの仕事のステップアップとしてしか考えていなかったのが本音です(イケイケのベンチャーっぽくて、長居できなそうにも感じました)。でも、入社してみたらみんな仲間の成長を考えていて、毎日楽しくて仕方ありませんでした。人の人生に寄り添う求人広告が、大好きにもなりました。そうこうするうちに、もっといろんな世界が見たくなり、「転勤してみてもいいかな」と上司に冗談交じりでいうようにもなりました。それが名古屋と大阪への6年間の転勤生活のはじまりになるとは思いもよらなかったですが(当時は人材不足だったからで、いまはそこまで転勤はないと思います)。
そしていまは前述したとおり、病気をしたこともあって、社会全体のことを以前よりも深く考えるようになりました。もちろん僕は非力なので、目の前で困っている人に手を差し伸べるくらいしか、できることはありません。それでも、何もしないよりはマシだと信じています。エンのパーパスを実現することは壮大に見えるかもしれませんが、まずは一つひとつの積み重ねです。人材領域であれば、求職者と、求人企業のことをとことん考えて、自分にできることを精一杯やる。失敗もあると思いますが、精一杯やったという事実は残ります。だから、脳汁が出るくらい、知恵をしぼって日々の仕事をしてほしいな、と思います。それが、きっと将来の財産になります。
■最後に。
1年くらい前に、エンで役員をされていた川本さんと食事をご一緒したのですが、「日常をちゃんと生きること」の大切さについて、意見が一致しました。
たとえば「前は1000円でビールが4本買えたのに、いまは3本しか買えないから発泡酒をまぜている」とか、「おむつ代ってめちゃ高い」とか、そういうことです。人材領域に関していえば、求職者には切実な生活があります。だからこそ、日常感覚を忘れないでほしいです。こんなこと書くと怒られちゃうかもだけど、ビジネス書を30分読むより、スーパーに行った方が学びや気づきを得られることも少なくないと思います(もちろん、読書したうえでスーパーに行くのがベスト)。人の気持ちを理解できる人間になるためにも、生活というものに敏感な大人でいてください。