みなさん、「桂小五郎」をご存知でしょうか。「木戸孝允」と言ったほうがわかりやすいかな?そう、歴史の教科書で一度は見たことがある、「廃藩置県」に関わった、あの人です。
そんな桂小五郎さんと、彼の恋人であり、のちの奥様「幾松さん」の仮住まい先だった場所が、今もなお京都に料亭として現存。ということで今回は、美味しいお食事とともに幕末の歴史を体感できる『料亭旅館幾松』さんのレポをお送りします!
もう入口から、老舗料亭の重厚感が。
中に入り、石畳を進んで、のれんをくぐると…。
すごすぎやしないか。
ビビりすぎたゆえ、これがいつの時代の、誰が使った鎧兜なのか、女将さんに詳細を聞くことはできませんでしたが、とにかく圧巻でした。
「お待ちしておりました」と袴姿のスタッフさんに案内されたのは、完全なる個室。
窓からは、鴨川が一望できます。
時刻は12時過ぎ。いよいよお料理かと思いきや、ここでスペシャルサプライズ。「1階に桂小五郎さんと幾松さんにゆかりのある部屋がございます。よろしければ、ご案内しますが」とスタッフの方。ぜひ行かせてください!と、「幾松の部屋」と呼ばれている場所へ。
室内には、お二人の肖像画(写真かな?)が。
なかでも私が一番感動したのは、
この長持。
これは、新撰組に追われていた桂小五郎さんを幾松さんがかくまったときに使われた長持なんです。
このなかに桂小五郎さんが隠れ、その前に座って幾松さんは何食わぬ顔で三味線を弾く。部屋に侵入してきた近藤勇に「桂がいるのはわかっている」と言われても三味線のバチで近藤の手を払いのけ、「もしこの長持の中にどなたもいないとなれば、近藤はん、責任とってこの場で切腹してくれはりますか?」と言いのけた幾松さん。カッコイイ!!
ちなみに、このように幕末に“追って・追われて”の攻防の舞台となったこのお屋敷には、さまざまな仕掛けがあるんです。たとえばこちらの天井は、「つり天井」というもの。
大きな石がはさめる仕組みになっており、部屋のすみにある紐をひっぱると天井ごと落ちて、侵入者を攻撃することができたのだとか。写真の天井は、当時のものをそのままに、簡単に落ちない構造に変えただけだそう。つまり同じ天井を、桂小五郎さんや幾松さん、そして新撰組のメンバーも見ていたということですね。
そして今は封鎖してしまったそうですが、廊下には隠し階段も。
中庭も美しかったのですが、このお屋敷にからくり具合には驚くばかりでした。
そしてそして!ついに!いよいよ!お待ちかねのお食事!
はまぐり、黒豆、わかさぎと、この季節ならではの美味しい食材がいっぱい!
心もお腹も満足の1日でした。